葉巻・嗅ぎたばこ・噛みたばこ
*葉巻
葉巻は、さまざまなたばこのなかでも、最も古くから見られる形態です。葉巻による喫煙は、現在のメキシコなどを中心に栄えたメソアメリカ文明を中心に、古代アメリカで広く行われていました。ヨーロッパへは、スペインによって伝えられ、以来、スペインの代表的な喫煙方法として、独特な文化を形成し、その後、ヨーロッパ全体に広まりました。
- 葉巻の箱に貼られたラベル
*嗅ぎたばこ
粉状のたばこを鼻から嗅ぐ嗅ぎたばこは、南アメリカの先住民を中心に古くから行われ、ヨーロッパではフランスを中心に広まりました。特に、18世紀のブルボン王朝時代に大流行し、金銀やエナメル装飾のスナッフボックスが作られ、18世紀のヨーロッパで最も広く親しまれたたばこでした。また、17世紀末に中国に伝わった嗅ぎたばこは、独特の鼻煙壺(びえんこ)を生み出し、清の乾隆帝(けんりゅうてい)の時代以降、ガラスや玉、陶磁器など、さまざまな素材の鼻煙壺が制作されました。
- ヨーロッパのスナップボックス
- 中国の鼻煙壺
*噛みたばこ
葉たばこを口の中でガムのように噛む噛みたばこは、世界中に広まることはありませんでした。しかし、アメリカ合衆国では、19世紀の半ばには、たばこ生産のほぼ半分を噛みたばこが占め、現在も一部で愛用されています。またインドなど、噛みたばこが広く普及している地域もあります。