特別展Exhibition

過去の特別展

パッケージで時間旅行 記念・観光たばこの世界

日本では、かつて、国や地方の様々な行事や催しなどにちなんだ記念たばこや、全国各地の観光地やお祭りなどを紹介した観光たばこが販売されていました。
記念たばこは、記念行事などの際にパッケージに特別なデザインを施して、期間限定で販売されたたばこです。 1915年(大正4)の大正天皇即位式を記念して発売された「八千代」が始まりで、特別な銘柄として発売されることもあれば、一般販売銘柄のデザインを記念用に変えて発売されることもありました。いずれのデザインも、著名な画家やデザイナーが多く手がけました。国家行事や博覧会、インフラ整備に関わるもの、オリンピックや国民体育大会などのスポーツ大会、市政制度周年記念など、様々な記念たばこが発売されましたが、1993年度をもって終了しました。
一方、観光たばこは、全国各地の観光地やお祭りを一般販売銘柄にデザインして販売していたたばこです。何かの記念に際してその時だけ発売される記念たばことは異なり、比較的同じ題材でデザインを少しずつ変えながら毎年販売され、1967年度から1993年度まで続きました。
記念・観光たばこのパッケージは、その時代に起こった出来事や、日本の様々な風景を見せてくれます。
本展は、パッケージを中心に、関連ポスターや時代を示す写真などの展示も合わせ、時間旅行をお楽しみいただくものです。

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    皇太子ご成婚記念(記念たばこ)1959年
    デザイン:川端龍子
    皇太子明仁親王と正田美智子さん(現上皇と上皇后)の結婚を記念して発売された。

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    富士箱根伊豆国立公園 裏面(観光たばこ)1967年
    【静岡県】


「パッケージで時間旅行 記念・観光たばこの世界」開催概要

主催
たばこと塩の博物館
会場
たばこと塩の博物館 2階特別展示室
開館時間
午前10時~午後5時
(入館締切は午後4時30分)
※状況により開館時間を変更する場合があります。
休館日
毎週月曜日
入館料
一般・大学生 100円
小・中・高校生 50円
満65歳以上の方 50円 ※年齢がわかるものをお持ちください。

※障がい者の方は障がい者手帳(ミライロID可)などのご提示で付き添いの方1名まで無料。
※なるべく少人数でのご来場をお願いします。
※密集を避けるため、入場制限をさせていただく場合があります。ご来館の際は、当館の〈新型コロナウイルスに関連した対応について(2022.2.1)〉もご覧ください。
※新型コロナウイルス感染症拡大の状況によっては、開館時間の変更や臨時休館をさせていただく場合があります。最新の開館状況等は、公式ツイッター、お電話でご確認ください。

展示関連イベント

※新型コロナウイルスの感染状況によっては、講演会を中止させていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。

展示関連対談『記念・観光たばこのデザイン』
日時:2022年6月26日(日)14:00~
お話:田中 晋(元JTデザインセンター クリエイティブディレクター)
聞き手:鎮目 良文(たばこと塩の博物館 学芸部長)
会場:3階視聴覚ホール
  • ※往復ハガキによる事前申込制で、定員は40名。応募ハガキは、2022年6月10日(金)必着、応募多数の場合は抽選となります。
  • *お申し込み方法などの詳細は、イベントページをご確認ください。

展示の構成と作品紹介

パッケージに見る日本の歩み1(戦前)

記念たばこは、大正天皇が即位式を挙げた1915年(大正4)に発売された御大典記念たばこ「八千代」以降、第一次世界大戦終熄記念たばこ「ピース」(1920年)、昭和天皇御大典記念たばこ「昭和」「グローリー」(1928年)など、大きな出来事の際に、特別な銘柄として発売されました。1930年代になると、全国各地で開催された博覧会や、大蔵省専売局が主催した「たばこ博覧会」にちなんで、ゴールデンバットや光などの一般販売銘柄のパッケージに特別なデザインをした記念たばこが発売されるようになりました。1937年(昭和12)に日中戦争が始まると、記念たばこも陸軍特別演習や凱旋記念といった時局を反映したものになっていき、1940年(昭和15)の「紀元二千六百年記念たばこ」を最後に、戦争が終わるまで中断しました。
記念たばこのデザインは、著名な画家、デザイナーやイラストレーターなどが多く手がけているのも見どころです。

  • 御大典記念「八千代」 1915年

  • 「八千代」ポスター 1915年

  • 第一次世界大戦終熄記念「ピース」 1920年

  • たばこ展覧会(京都)記念 1935年
    デザイン:堂本印象
    「たばこ展覧会」は、大蔵省専売局が収集した浮世絵や喫煙具などの展示と刻みたばこの製造実演を行なったもので、1933年から始まった。それまでの記念たばこは、新しい銘柄を発売するものだったが、たばこ博覧会以降は一般銘柄のパッケージデザインを変更したものが発売されるようになった。

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パッケージに見る日本の歩み2(戦後)

戦後、復興の兆しがみられるようになると、全国各地で、都市の復興を記念した行事や博覧会が行われるようになりました。それらの行事に合わせて、記念たばこも1948年(昭和23)から復活し、年ごとにその数は増えていきました。1950年代後半から1960年代にかけての高度成長期には、建造物の竣工、通信や交通の開通をはじめとしたインフラ整備、国際見本市やオリンピックなどの開催が続き、それらに合わせた記念たばこが発売されました。その後も記念たばこは、万国博覧会や地方博覧会、国民体育大会の開催、市政施行周年記念事業にあたって数多く発売されましたが、1993年度をもって廃止されました。

  • 復興大博覧会記念 1948年
    デザイン:毎日新聞社
    毎日新聞社主催で戦後最初の本格的な博覧会が大阪で開催された。戦争中は中断していた記念たばこだったが、これを機に復活した。

  • 新潟県産業博覧会記念 1950年
    デザイン:田中冨吉
    戦後復興の促進と地域の産業復興を目指して開催された博覧会を記念したもの。

  • 東京オリンピック記念 1964年
    デザイン:板橋義夫
    五輪カラーに合わせた5色で、全競技20種目をデザインした「ピース」をセットにして発売された記念たばこ。

  • 東海道新幹線開通記念 1964年
    デザイン:福原保

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観光たばこ

観光たばこは、1967年度から1993年度まで、全国各地の観光地やお祭りを一般銘柄にデザインし、その地域を中心に販売していたものです。観光たばこが作られるようになったのは、当時、観光旅行が盛んになったことや地方における税収確保のためといった背景があります。観光たばこは毎年作られ、四季折々の有名観光地やお祭りなどを紹介してきました。発売当初はイラストレーションが用いられましたが、1970年頃からはカラー写真が使われるようになり、パッケージを開くと絵はがきのようにも見えることから、旅行のお土産やコレクションアイテムとしても人気となりました。

  • 偕楽園梅まつり 1967年 【茨城県】

  • 阿波踊り 1967年 【徳島県】

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