たば塩スタッフが近況やさまざまな活動について、最新情報をお届けします。
「風が心地いい季節ですね…。最新海外調査のはなし(2)」2014.4.30
こんにちは。ひと月のご無沙汰でしたが、みなさまお変わりありませんか?
若葉が景色に彩りを添え、道ばたの名前が分からない花も可憐に咲いています。春ですね。風が心地いい季節です…。このブログがアップされるゴールデンウィークのころには、徐々に「暑い」と感じる日も多くなっていることでしょう。当ブログはひと月ごとの更新ですので、書くたびにひと月前を振り返っては、移りゆく季節を感じています。
毎度毎度の代々木公園のようすです。
ついひと月前のブログでは「もう少しで桜が満開」と書いていました。
そのときには、花曇りで空のグレーと花のピンクに覆われていた公園が、今は若々しい緑色であふれています。
さて、先月のブログでもお伝えしましたが、たば塩に新人2人が入りました。
西洋史と近代史を専門とする学芸員ですが、今は学芸員の種々雑多な作業を手伝いつつ、新しい環境にとけ込みつつあるところです。挨拶、返事の声もさわやか。こちらも新鮮な気持ちをわけてもらっています。
もう少したば塩に馴染んだところで2人の意気込みなどをご紹介できればと思います。
リニューアルに向けての動きは…。相変わらず活発に打ち合せが行われています。常設展示室、収蔵庫については、以前にもご紹介しましたが、他のさまざまな部屋についても打ち合せが進んでいます。その中には事務所もあります。
展示室は、新しくなるような実感が持てるのですが、事務所については、なぜかピンときていません。考えてみれば、館内で最も長い時間を過ごしたのがこの事務所なんですよね…。だからでしょうか?1月のブログでお伝えしたとおり、現在の机は書類その他のものに囲まれています(整理したのですが、道半ばです)。散らかり過ぎはよくありませんが、何か安心感のようなものがあるのも事実です…。新しい事務所になったら、すっかりきれいになるんだよなぁ…。あれ?それは自分次第なのか!?・・・と、ひとり掛け合いはさておき、館長室の扉の数、総務部、学芸部の位置からコピー機の位置、収納スペースなど、細かいところまで詰めていっています。
新しくなる事務所が楽しみであり、今の事務所とのお別れが寂しくもあり、そんな気分です。
今回は、海外調査「塩編」をご紹介します。
渋谷・神南たば塩の「塩の展示室」は、大きく、塩の性質などを解説するコーナー、海塩・岩塩・湖塩といった世界の塩の標本を紹介するコーナー、日本での塩作りを紹介するコーナーで成り立っていました。これは、当館がみなさまに塩をご紹介する核のようなものですので、新館でも大きな柱となります。
加えて、新館は神南の展示室の倍近くの広さになりますので、より広いテーマで、内容を濃く、バージョンアップした展示にすべく学芸員を中心に取り組んでいるところです。
神南たば塩の「塩の展示室」で人気だった1.2tもあるポーランド岩塩。これは、ポーランドにある岩塩坑から掘り出され、はるばる日本までやってきたものです。
神南たば塩の「塩の展示室」。手前のオレンジ色の柱状のものが「ポーランド岩塩」。来館者の方からは「しょっぱいのかな?」「なめてみようかな?」という声がよく聞かれました。中には実行する方もいらしたようです…。続く展示は、さまざまな地域の塩の標本。
新館では、このような実物標本と合わせ、現地の雰囲気を味わっていただけるような展示を検討しています。
3月中旬、塩担当の学芸員は、新館の展示に向けた調査や打ち合わせのため、ポーランドに行ってきました。ここでは、学芸員が撮影した写真で、岩塩坑のようすをご紹介します。
世界遺産・ヴィエリチカ岩塩坑。階下に広がるのが「聖キンガ礼拝堂」です。聖キンガ礼拝堂は、岩塩を掘り出したあとに残った空洞です。そのため、壁・床・天井など、ほとんどのものが塩でできています。シャンデリアも岩塩で創られています。学芸員によると、岩塩の壁を直接彫った彫刻が並んでいるそうです。写真からも荘厳な雰囲気が伝わってきます。
聖キンガの祭壇。岩塩坑での仕事は危険と隣り合わせでした。坑夫たちは守り神として聖キンガの彫刻を作ったそうです。
新館の塩の展示室。一体どのような姿でみなさまにお披露目となるのでしょう?私も楽しみにしています。
“Omake” from Poland!〜たば塩学芸員のポーランドおまけ写真〜
2月にご紹介したメキシコに続き、今回はポーランドのおみやげ話です。
ポーランドに調査に出かける学芸員に、
美味しいもの、ステキなものがあったら撮ってきてください!と
お願いしたところ、こんな写真を撮影してきてくれました。
こちらも世界遺産のクラクフ旧市街。中世の重厚な石造りの建築物が並ぶ中央広場の写真です。学芸員は青空を見たかったと言いますが、曇り空がかえって歴史の重みを感じさせるように思います。
クラクフ旧市街の夜。夜もけっこうにぎやかとのこと。雨に濡れた石畳も美しいですね。
クラクフのレストランは、半地下の洞窟スタイルが伝統的なのだそうです!ここでの夕べ…。想像するだけで、なんだかワクワクします。
学芸員をはじめ、調査スタッフの“最後の晩餐”とのこと。南ポーランド・ザコパネ地方の郷土料理だそう。ポーランドは農業国で、料理はどれも美味しいそうです。食べてみたい!!
神南たば塩の前庭にはケヤキがあります。代々木公園の木々に比べるとゆっくりですが、若葉が出始めていて、とてもかわいらしいです。毎年、ケヤキは枝がぐーんと伸びて、葉ももさもさ茂り、本当にきれいな新緑に覆われます。思えば、この下に野鳥(ブログ4参照)が落ちていたこともあったくらいです…。
実は、神南たば塩の前庭には2本のケヤキがあります。お気づきになっていたでしょうか?
4月は、昼間暖かく、夜ひんやりの繰り返しでした。このブログがアップするころには、陽気も安定しているでしょうか? みなさま、お身体には気をつけてお過ごしください。
それでは、またひと月後に! (Y・H)