過去の特別展
江戸から明治にかけて、おもちゃ絵などと呼ばれる子ども向けの浮世絵が作られていました。
虫尽くしや道具尽くしといった同じジャンルのものを一枚に集めて描いた物尽くし、昔話の絵本を仕立てるもの、組み上げ絵や廻り灯籠のような細工物、双六、福笑いのようなゲーム、着せ替えやかつらつけなど、多くの種類があります。
おもちゃ絵は、無名の浮世絵師たちだけではなく、役者絵や美人画、風景画などで知られる有名絵師たちの作品もあります。しかし、どのような絵師が描いたものであっても、主に子ども向けのものであり、また実用品であることには変わりありません。切り抜かれたり、汚されてしまったりして、大切には扱われず、多くは子どもたちの成長とともに処分されてしまう運命にありました。
本展では、物尽くし、昔話、細工物、そしてゲームのようなものまで、さまざまなおもちゃ絵約80点を展示します。おもちゃ絵の楽しさを紹介しながら、当時の人々の知識や考え方、遊びなどをお伝えします。
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「見て楽し 遊んで楽し 江戸のおもちゃ絵 PART1」開催概要
- 主催
- たばこと塩の博物館
- 会場
- たばこと塩の博物館 2階特別展示室
- 開館時間
- 午前11時~午後5時
(入館は午後4時30分) - 休館日
- 毎週月曜日(ただし9/21は開館)、
9/23(水)休館
- 入館料
-
大人・大学生 100円
小・中・高校生 50円
満65歳以上の方 50円 ※年齢がわかるものをお持ちください。
※障がい者の方は障がい者手帳などのご提示で付き添いの方1名まで無料。
※なるべく少人数でのご来場をお願いします。
※密集を避けるため、入場制限をさせていただく場合があります。当館の 〈新型コロナウイルスに関連した対応について(2020.10.1)〉もご覧ください。
※新型コロナウイルス感染症拡大の状況によっては、開館時間の変更や臨時休館をさせていただく場合があります。最新の開館状況等は、公式ツイッター、お電話、当ホームページ等でご確認ください。
展示関連イベント
展示関連イベントの予定はありません。
展示作品の紹介
18世紀のおもちゃ絵
江戸時代、木版印刷技術の発達と相まって出版業が盛んになると、庶民も出版物を手にできるようになり、子ども向けにも出版物が誕生し、18世紀には多くのものが作られていました。当初は冊子の形が多かった子ども向けの出版物は、次第に一枚絵の形でも出されるようになり、おもちゃ絵として発展していきました。
ここでは、18世紀に出版された素朴なおもちゃ絵、おもちゃ絵が描かれた作品などを紹介します。
19世紀のおもちゃ絵
19世紀になると、物尽くし、昔話、細工物、ゲームなど、数限りない、多彩なおもちゃ絵が作られるようになりました。特に19世紀半ば以降は、おもちゃ絵に親しむ母子の姿がたびたび浮世絵に描かれるようになり、江戸という都市では、ごく普通の庶民がさまざまなおもちゃ絵を楽しんでいたことがわかります。
ここでは、19世紀に花開いた数々のおもちゃ絵を紹介します。
19世紀のおもちゃ絵 — 物尽くしおもちゃ絵 —
19世紀にもっとも多く作られたと考えられる物尽くしおもちゃ絵。見て楽しいものはもちろん、物の分類を学んだり、名前を知ったりすることができる図鑑のようなもの、動物などを擬人化したものもあります。特に天保改革以降には、猫、たぬき、金魚、コウモリ、ほうずき、独楽などを擬人化した戯画が歌川国芳を中心に描かれ、流行、それをまねたおもちゃ絵も作られました。
19世紀のおもちゃ絵 — 昔話のおもちゃ絵 —
18世紀には主に絵本の形だった子ども向けの昔話は、次第に一枚摺りの形で出版されるようになりました。簡易な一枚摺りになったことで、より多くの子どもたちが手にすることができたと思われます。文字がないものも多くみられ、親たちは絵を見せながら子どもにお話を聞かせたのでしょう。
19世紀のおもちゃ絵 — 細工物おもちゃ絵 —
組み上げ絵や廻り灯籠など、切り抜いて組み立てるおもちゃ絵もあります。現在のペーパークラフトに似ていますが、自分で裏打ちして握りバサミで切り抜き、小さな完成図をみて想像しながら組み立てるものでした。子どもだけで作りあげるのは困難で、親子で楽しんだものと思われます。
19世紀のおもちゃ絵 — ゲームのおもちゃ絵 —
絵双六、福笑い、かるた、十六むさし、目付け絵など、多くの紙のゲームがありました。特に絵双六については、定番の道中双六をはじめ、飛び双六という、別のルールで遊ぶものも大量に作られました。大きさ、テーマもそれぞれで、袋付きで売り出されたものも多くありました。