過去の特別展
絨毯(じゅうたん) Pile Rug
縦糸に緯糸を通しつつ、パイル用の毛糸も結びながら織り進める、起毛(パイル)のある織物。敷物として使う。
南イラン
カシュガイ・ルリ族
1920年頃 羊毛 215×140cm
Qashqai Lurs, West Persia, ca.1920, wool
カシュガイ系ルリ族は、ペルシャ(イラン)では最も古い遊牧民として知られ、幾つかのエリアに散在し、自由で明るい独創性あふれる絨毯を多く産出した。茜かザクロ皮か、このピンク系の色は当時としては大変珍しい。
南イラン
アラブ族(ハムセ連合)
1900年頃 羊毛 228×172cm
Arab of Khamseh, South Persia, ca.1900, wool
遊牧民の象徴ともいえる絨毯。移動生活の中では、家畜に積む織機(水平機)の幅は肩幅くらいに制約された。この作品は、肩幅くらいに仕上がった2枚を最後に合体し、1枚としたもの。各地の遊牧生活がほぼ終わっている現在、希少な資料といえる絨毯である。
南イラン
カシュガイ・ルリ族
1930年頃 羊毛 238×155cm
Qashqai Lurs, West Persia, ca.1930, wool
遊牧民の織物に見られる色むらは、移動しながら染色したためとも、同じ部族より近い色を調達したためともいわれる。色合いは経年により微妙に変化し、天然染料ならではの絶妙な味わいを生み出している。
南イラン
カシュガイ族シェシボリューキ
1930年頃 羊毛 234×155cm
Shesh Boluki of Qashqai, South Persia, ca.1930, wool
生長を祈願する生命の樹をモチーフとし、それに花紋を組ませ、豊穣と幸せを願った絨毯である。