特別展Exhibition

過去の特別展

江戸後期から現代までの愛らしい「ちりめん細工」を紹介

ちりめん(縮緬)は細やかな「しぼ」をもつ優しい絹織物で、江戸時代から現在に至るまで日本の着物の素材として愛好されてきました。そのちりめんの残り布を利用して作られたお細工物を現在、「ちりめん細工」と呼んでいます。裁縫お細工物に「ちりめん細工」の名を与えたのは日本玩具博物館長の井上重義で、1986年の命名以来、展覧会や出版活動を通して、その名が全国的に定着しました。
江戸時代の後半、御殿女中や武家、商家などの裕福な家庭の女性達によって、ちりめんの残り布を縫いつなぎ、美しく愛らしい袋物や小箱が生み出されました。それは、小さな布裂も大切にする心、美的感覚、手先の器用さを身につける手芸で、日本女性の教養のひとつでもありました。明治時代に入ると、ちりめん細工は女学生の教材として取り上げられ、女学生たちは、『裁縫おさいくもの(明治42年)』『続裁縫おさいくもの(明治45年)』などを指南書に、意匠を凝らした佳品作りを競い合いました。花や動物の袋物は香入れや琴爪入れとして、玩具や人形の袋物は子どもの御守りとして使用され、また、中部東海地方には、ちりめん細工の袋物を嫁入り箪笥の上にのせて持参する風習も見られました。
たばこと塩の博物館と日本玩具博物館の共催で開催する本展では、第一部として、江戸時代から明治・大正時代にかけての古作品を一堂に集め、ちりめん細工の歴史と文化を紹介します。第二部では、日本玩具博物館の復興活動を通して今によみがえった平成のちりめん細工を、季節や種類に分けて展示します。また、ちりめん細工を作る楽しみや飾る喜びを表現した「つるし飾り」や「傘飾り」などもご覧いただきます。

主催 たばこと塩の博物館 日本玩具博物館 会場 たばこと塩の博物館 2階特別展示室
開館時間 午前10時~午後6時
(入館締切は午後5時30分)
休館日 毎週月曜日(ただし、2月12日は開館)
2月13日(火)
観覧料 一般・大学生 300円(150円)
小・中・高校生 100円(50円)
満65歳以上の方 150円(100円)※年齢が分かるものをお持ちください。
※観覧料で常設展示もご覧いただけます。
※( )内は20名以上の団体料金。
※障がい者の方は 障がい者手帳などのご提示で付き添いの方1名まで無料。
つるし飾り(輪さげ)

つるし飾り(輪さげ)

梅模様の風船袋

梅模様の風船袋

関連講演会
1月23日(火)
「ちりめん細工(裁縫お細工物)の復興に取り組んで」
井上重義(日本玩具博物館館長)
1月27日(土)
「浮世絵と裁縫お細工物」
湯浅淑子(たばこと塩の博物館主任学芸員)
2月24日(土)
「ちりめん細工(裁縫お細工物)の歴史をたどる」
尾崎織女(日本玩具博物館学芸員)
  • ※午後2時から、3階視聴覚ホールで開催。
  • ※定員は先着90名。参加には入館料、または本展観覧料が必要です。
  • ※当日開館時より整理券を1名につき2枚まで配布します(配布時に人数分の入館料、または本展観覧料をいただきます)。
ちりめん細工の体験(事前申し込み制)
3月4日(日)
A「梅袋」
南 尚代
3月17日(土)
B「うぐいす袋」
竹内友美
3月25日(日)
C「かわいい小袋」
南 尚代
  • ※午後1時30分から、1階ワークショップルームで開催。所要時間は約3時間。
  • ※定員は各回24名。参加には材料費2,000円が必要です。

《申し込み方法》
往復はがきの往信面に、①住所、②氏名、③年齢、④電話番号、⑤希望人数(1名か2名)、⑥ご希望の日程(A・B・Cのいずれか)を明記し、返信宛先面に、①郵便番号、②住所、③氏名をご記入の上、下記までご応募ください。はがき1枚につき、1イベントの応募とさせていただきます。なお、往復はがきご記入の際には、消すことのできるボールペンはご使用にならないよう、お願いいたします。

◎送り先
〒130-0003 東京都墨田区横川1-16-3 「たばこと塩の博物館 体験HP係」宛
締め切り 2018年2月15日(木)必着

  • ※応募多数の場合は抽選となります。結果は返信用はがきでお知らせします。
    体験当日は入館料と材料費2,000円が必要となります。

日本玩具博物館
日本玩具博物館は、世界文化遺産国宝姫路城から北北東へ約10kmにあります。緑ゆたかな田園風景のひろがる中、白壁土蔵づくりの6棟の建物で構成されています。民芸調の落ち着いた雰囲気の館内には、日本の郷土玩具や近代玩具、伝統人形、世界160か国の玩具や人形など、総数9万点を超える資料を収蔵。2・3・4号館では常設展、ほかに1号館と6号館では季節に合わせた企画展・特別展を開催しています。また、見るだけでなく、おもちゃに触って遊べるコーナーもあり、大人にも子どもにも喜ばれています。
1974年に設立。規模・内容からわが国を代表する玩具博物館として広く知られており、幼い日の想い出につながる懐かしい玩具や人形、また世界各地の子ども文化とも出会えるおもしろユニーク博物館です。2016年12月、「ミシュラン・グリーンガイド」で二つ星に選ばれました。

〒679-2143 兵庫県姫路市香寺町中仁野671-3
TEL:079-232-4388 FAX:079-232-7174

「日本玩具博物館」公式サイト