奥村政信画「がくの小さん」
絵師 | : | 奥村政信 |
名称 | : | 今昔俤曽我(いまはむかしおもかげそが) |
初代富沢門太良のがくの小さん | ||
時代 | : | 元文2年(1737) |
形状 | : | 細版漆絵 |
版元 | : | 奥村源六 |
※こちらは常設しておりません。
この作品で描かれている富沢門太郎は、享保2年(1717)〜寛保3年(1743)に活動した歌舞伎の女形です。上方で活躍した後、元文元年(1736)に江戸へ下りました。この芝居では、元禄時代に名高かった小さんという湯女の役をつとめています。門太郎の締める帯の黒色が印象的ですが、これは墨に漆や膠(にかわ)を加えて光沢を出したもので、摺り色がまだ少ない時代の初期の浮世絵に見られる技法です。
絵師の奥村政信は、奥村屋という版元でもありました。元禄末〜宝暦(1701〜1764)頃までの長い期間、作品を残していますが、遠近法を使った浮絵、柱に貼るように細長く描いた柱絵といった、新しいタイプの浮世絵も創案しています。