
木綿籐花結組袂落し 十の字阿蘭陀更紗懐中たばこ入れ

前金具 | : | 銀 一文字金物 |
裏 座 | : | 銀 鞐(こはぜ) |
鎖 | : | 銀 小豆(あずき)組 |
筒 | : | 十の字阿蘭陀更紗 (じゅうのじおらんださらさ) |
寸法 | : | 10.1 ×8.5cm(袋の部分のみ) |
※こちらは常設しておりません。
袂落(たもとおと)しは、紐(鎖)を首に掛け、先の袋を左右の袂に振り分けて使用します。片方が手拭(てぬぐ)い、片方が紙入れやたばこ入れ用として利用されます。首に掛けて上から着物を着るので、外出の際も他の袋物のように忘れて置いてきてしまう心配がありません。そのため、忘れ物を恥とする武士階層に多く利用されました。附属するたばこ入れは、江戸後期に日本に輸入されたオランダでプリントされた模造更紗(もぞうさらさ)です。
インドがイギリスに抑えられ更紗などの日本への輸出が不可能になった時、オランダがヨーロッパで作られたイミテーションを代用として運んできました。日本では、生地の織りが密で色彩も鮮やかであることから、これを喜んで受け入れ、阿蘭陀更紗(おらんださらさ)とか本国更紗(ほんごくさらさ)と呼んで、珍重しました。