
黒漆塗り鉄線蒔絵提げたばこ盆

装 飾 | : | 金銀平蒔絵(高台寺蒔絵系) |
火 入 れ | : | 草花蒔絵八角形 |
灰 落 し | : | 草花蒔絵八角形 |
たばこ入れ | : | 梨子地(なしじ)波に葦(あし)蒔絵 |
き せ る | : | 銀河骨形(こうほねがた)朱羅宇(らう)きせる |
寸 法 | : | 30.4×42.2×27.2cm |
そ の 他 | : | 諸道具類は後のもの |
※こちらは常設しておりません。
香道で使用される香盆を転用したごく初期のたばこ盆で、盆自体は17世紀の末のものと考えられます。おそらく当館所蔵資料中、最も古い時代のたばこ盆になります。装飾は、近世初頭の代表的蒔絵技法「高台寺蒔絵」の特色(平蒔絵に金粉を蒔き付けた「蒔放し(まきはなし)」を主に用いた簡便な装飾技法)を明確に示すものです。金平蒔絵を主体とし、絵梨子地(えなしじ)を交えた鉄線唐草は、その伸びやかで闊達(かったつ)な筆の勢いから、蒔絵師の高い技量が見て取れます。このたばこ盆に付属する火入れや灰落しなどの諸道具類は、たばこ盆より後の時代のものです。