歌川豊国画「曽我祭侠競」
絵師 | : | 歌川豊国 |
名称 | : | 曽我祭侠競 (そがまつりいきじくらべ) 七代目市川団十郎の魚屋団七 |
時代 | : | 文化10年(1813) |
形状 | : | 大判錦絵3枚続きの内1枚 |
※こちらは常設しておりません。
名優七代目市川団十郎、20代前半の頃の作品です。 団十郎が身につけている浴衣には、「鎌の絵」と「輪=○」と「ぬ」の文様が見えますが、これは判じ物で、「かまわぬ」と読みます。古くからある文様ですが、この団十郎が好んだことにより江戸で大流行しました。ここでは、舅を殺す魚屋団七をつとめています。
七代目団十郎は、役者として優れていたのはもちろんですが、文筆、歌、俳諧にも才能がありました。市川家の伝統芸を集大成し、歌舞伎十八番を制定するのもこの団十郎です。豪奢な生活のため江戸払いになったり、実子の八代目市川団十郎には先立たれたりと、話題には事欠かなかったようです。
絵師の初代歌川豊国は、特に役者似顔絵に優れ、人気がありました。この作品でも、小柄で、目が大きかったという七代目団十郎の容貌の特徴を、よく描き出しています。