くらしと塩(塩の用途と年間統計)
日本では、1年間に約900万トンの塩が消費されています。このうち、調味料や食品加工など、食用として使われる量は、約15%にすぎません。残りの塩は、ソーダ工業を中心とする多くの分野で使われています。一方、塩の供給についてみると、国内の製塩工場でつくられる塩は、食用を中心に使われています。そして工業用の多量の塩は、メキシコやオーストラリアなどから輸入される天日塩(てんぴえん)でまかなわれています。
◆輸入の内訳
◆塩の使いみち
◆家庭用・食品加工用
塩味は味つけに欠かせません。また、食べものをくさりにくくする塩のはたらきは、広く食品の加工に利用されています。また、微生物を利用して食品をつくるときにも塩は欠かせません。
◆一般工業用
塩のいろいろな性質は、身近な工業製品の製造にも多く利用されています。皮をなめしたり、イオン交換樹脂の再生、染料・合成ゴム・各種化学薬品の製造に使われています。また、家畜用の塩や、病院などで使われる「生理食塩水」もつくられています。
◆ソーダ工業用
ソーダ工業とは、塩(NaCl)を原料として、ナトリウム(Na)と塩素(Cl)に分解し、か性ソーダ(NaOH=水酸化ナトリウム)、ソーダ灰(Na2CO3=炭酸ナトリウム)、塩素(Cl2)などの、いろいろな工業製品を作るための基礎原料につくりかえる工業です。か性ソーダからは、紙・アルミ・石けん などの製品、ソーダ灰からは、ガラス・ホーロー製品のうわぐすりなど、塩素からは、水道の消毒薬・CD(コンパクトディスク)などの製品がつくられます。日本で使われる塩の80%はこのソーダ工業に使われ、姿を変えて私たちの生活に役立っているのです。