採かんの発達/藻塩焼き(古代)
◆藻塩焼き
私たちの遠い祖先は、どんな方法で海水から塩を採っていたのでしょう。もっとも原始的な方法としては、焼いた海藻の灰(灰塩)そのものを使用したと考えられます。次に、灰塩(はいじお)に海水をまぜて濃い塩水(かん水)を採り、これを煮つめて塩を作るようになりました。さらに、干した海藻に付着した塩分を海水で洗い出してかん水を採り、これを土器で煮つめて塩をつくる、いわゆる藻塩焼き(もしおやき)の製塩法へと発達しました。この製塩用の土器は、弥生・古墳時代を中心に、九州から東北まで、全国各地の海岸部で数多く出土し、当時の製塩をうかがい知ることができます。
製塩土器の出土状況
◆製塩土器の型式概念図(地域・時代別)
各地で出土した製塩土器
◆古墳時代後期の塩づくり
古代の塩づくりに関する資料は、製塩土器のほか、和歌をはじめとする文献史料があります。
しかし、その内容は断片的で、実際にどのような製塩法であったのかを解明するのは困難です。
想定復元ジオラマ
ジオラマ解説図