楽しみといこい
たばこは、江戸文化にとけ込み、欠かせない風俗のひとつとなりました。特に庶民にとっては数少ない身近な楽しみであり、生活のなかのいこいとして疲れをいやすものでした。また、会話しながらの一服は、雰囲気をなごやかなものにし、来客にはもてなしのひとつとなるなど、社交の場でも活躍したのです。いつでも喫煙できるように行楽や旅にも携えられました。きせるやたばこ入れの喫煙具にも、庶民の「粋」の精神が発揮され、人よりも凝ったものや、良いものを持つことが自慢されていました。
◆生活の中で
- 「咲分ケ(さきわけ)言葉の花 おかみさん」
- 喜多川歌麿(享和ころ)
◆仕事の合間に
- 「大原女(おはらめ)花見図」(部分)
- 喜多川藤麿(寛政〜文化ころ)
◆行楽に
- 「汐干狩り」
- 歌川豊国(寛政ころ)
◆旅に
- 「木曽街道六十九次の内軽井沢」
- 歌川広重(天保ころ)
◆ききたばこ(たばこの味くらべ)
- 「国分煙草七種の評并讃(こくぶたばこななしゅのひょうならびにさん)」(部分)
- 春木南溟(天保3年)