梨子地波に葦蒔絵舟形たばこ盆
装 飾 | : | 梨子地(なしじ)波に 葦(あし)蒔絵 |
火 入 れ | : | 銀 |
灰 落 し | : | 銀 |
たばこ入れ | : | 梨子地波に葦蒔絵 |
き せ る | : | 銀延中継ぎきせる(2本) |
寸 法 | : | 20.7×42.4×13.7cm |
そ の 他 | : | 伝毛利家伝来 伝古満寛斎作 |
※こちらは常設しておりません。
この作品は、数あるたばこ盆の中でも、形状の奇抜さと蒔絵の技巧の素晴らしさの双方から評価できるものです。川面を行く船をたばこ盆としており、他に類例のないものです。形は奇抜ですが、屋根の部分を銀で造り、菊花模様を抜いて火入れとし、灰落し、たばこ入れも揃え、さらにきせるは柱を設けて細身の銀きせるを2本掛けられるようになっているなど、たばこ盆としての要素も満たしています。蒔絵は、金梨子地(きんなしじ)を基本とし、側面には波に葦(あし)が、船の部分は木目模様、積み荷として木賊(とくさ)に桜枝という凝ったもので、江戸後期の蒔絵技術のパターン見本のように多くの技巧が施されています。来歴として、毛利家伝来で、古満寛斎(こまかんさい)作ともいわれ、確定こそできませんが、そうであっても不自然ではない堂々とした喫煙具です。