黒漆塗り時雨菊蒔絵手付きたばこ盆
装 飾 | : | 金銀平目粉 金銀研出(とぎだし)蒔絵 |
火入れ | : | 銀菊彫り |
灰落し | : | 草花蒔絵八角形 |
きせる | : | 真鍮如信形黒塗羅宇きせる |
寸 法 | : | 24.2×17.7×17.0cm |
その他 | : | 原羊遊斎(はらようゆうさい) |
※こちらは常設しておりません。
作者は、古河藩などの御用蒔絵師を務め、江戸琳派の酒井抱一(ほういつ)との交流から、抱一下絵・羊遊斎蒔絵の瀟洒(しょうしゃ)な作品群を生んだ原羊遊斎(はらようゆうさい)です。羊遊斎の作品の多くは、高蒔絵や薄肉高蒔絵(うすにくたかまきえ)であり、研出(とぎだし)蒔絵の例は少ないようです。しかし、この作品は、研出蒔絵技法の最高のものといっても過言ではない抜群の完成度であり、羊遊斎の作品研究中、重要な作品といえます。時雨(しぐれ)に濡れる菊という図様は、研出蒔絵のぼかし技巧により、さらに絵画的に昇華されています。