採かんの発達/流下式塩田(昭和30年代〜昭和46年)
流下式塩田(りゅうかしきえんでん)は、昭和20年代後半から、入浜式塩田(いりはましきえんでん)に替わって導入され、昭和46年(1971)まで行われました。表面に粘土を張り、ゆるい傾斜をつけた「流下盤(りゅうかばん)」の上に海水を流し、太陽熱で水分を蒸発させます。さらに、竹の枝を組んだ「枝条架(しじょうか)」の上から滴下させ、風力によって蒸発させて、かん水を採る方法です。これまでのように、大量の砂を動かす重労働がなくなり、年間の稼働日数も多くとれるので、入浜式塩田と比べて生産量は2.5〜3倍と大幅に増加し、労力は1/10になりました。
流下盤(手前)と枝条架(奥)